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ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌④ ~作詞作曲家夕...
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さて今回は、主題歌「Re:」の作詞作曲をつとめてくださった夕凪さんのインタビュー後編!(といいつつ、野々村も結構喋っております) 数年前、私野々村と、一緒に演奏の仕事をしたり、隣の家や同じ寮に住んだりしていた夕凪さん。いつか一緒に作品作りをしたいなと話しながらも、叶わずそれぞれの環境を歩んでいました。そこから時間が経って、一緒に曲をつくることができました。 そして今回、アルバムも出させていただくということで改めて主題歌Re:について夕凪さんに曲について、あれこれ聞いてみました。快く引き受けてくれて、感謝。 なにか心をゆだねられるのって 野々村:次は曲の内容を細かく聞いていきたいな。一度記事も書いてみたんだけど、夕凪さんがどう考えているのかも聞きたくて。 夕凪:飛行機雲のこと描いてるやん ノートに(笑) 野々村:うん(笑)アルバムの収録曲を選んだ後に気が付いたから本当にたまたまなんやけど、全ての曲に空にまつわる曲を選んでて。映画自体もラストシーンでは渋谷の空が映るし、モチーフとして重なるところが多いなと。ちょっと私事だけど、アルバム収録中に大きな出来事もあって、色んな巡りあわせを感じずにはいられなかったのよ。 野々村:ちなみに飛行機雲はなんで飛行機雲? 夕凪:映画の一部に飛行機雲があったから、これは使いたかったかな。 野々村:あと”風”ってワードも入るなあって思ってた。 夕凪:私はモチーフとして風がぴったりくるなあと思って。「きみたちはどう生きるか」の米津の歌は凪がテーマになってたんだけど。自分で気持ちをどうこうして、なんとかなるような簡単な話じゃないなあと思ったときに、なにか心をゆだねられるのって、その流れを作ってくれる風がちょうどいいんじゃないかって。 野々村:歌詞の「風に任せましょう」がまさにそうだね 夕凪:そうそう。だからサビも「風に乗ってる鳥」に「流れに身を任せてみましょう」っていうまとめ方にしたな。 野々村:なるほど 夕凪:なるほどになってくれたらよかった。色んな見解があるから、ぜんぶ自分の意見で限定するのもな、と思うところもあって。 野々村:この歌詞がテーマ性が強いなみたいなのあったりする? 夕凪:映画のストーリーあったわけじゃないけど、2番は具体的なシーンが思い浮かぶようにしたくて、こぼれた涙の話を入れてみたの。作品を通して、こう捉えていいんじゃないかという要素も入れて、「しずかにこぼれた ひとしづくくを そのままでいいよ」の箇所とか。 野々村:たしかに、具体的な風景が浮かぶよね 夕凪:キャッチ―なのは1番なんだけど、2番もきいてみたら作品とのつながりもあるの。 例えば「支え合い はなれはしないから」のところは、映画の中で人格さんが言い合うみたいなシーンと繋がってるんだよね。色々思うことはあるし言うけど、その子のことが大切だから離れはしない。見守ってるよっていうニュアンスを入れてる。2番も聞いてくださいって感じかな(笑) す 掛け合いっぽくしたのもそれか ゆ そそ!! す 「木漏れ日の方に針を進めましょう」も好き ゆ がんばった(笑) ほっとできるところを 野々村:この曲歌ってると、もう一人解離してる感じになるというか、第3者から俯瞰してるみたいな感じになるのよ。...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌④ ~作詞作曲家夕...
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さて今回は、主題歌「Re:」の作詞作曲をつとめてくださった夕凪さんのインタビュー後編!(といいつつ、野々村も結構喋っております) 数年前、私野々村と、一緒に演奏の仕事をしたり、隣の家や同じ寮に住んだりしていた夕凪さん。いつか一緒に作品作りをしたいなと話しながらも、叶わずそれぞれの環境を歩んでいました。そこから時間が経って、一緒に曲をつくることができました。 そして今回、アルバムも出させていただくということで改めて主題歌Re:について夕凪さんに曲について、あれこれ聞いてみました。快く引き受けてくれて、感謝。 なにか心をゆだねられるのって 野々村:次は曲の内容を細かく聞いていきたいな。一度記事も書いてみたんだけど、夕凪さんがどう考えているのかも聞きたくて。 夕凪:飛行機雲のこと描いてるやん ノートに(笑) 野々村:うん(笑)アルバムの収録曲を選んだ後に気が付いたから本当にたまたまなんやけど、全ての曲に空にまつわる曲を選んでて。映画自体もラストシーンでは渋谷の空が映るし、モチーフとして重なるところが多いなと。ちょっと私事だけど、アルバム収録中に大きな出来事もあって、色んな巡りあわせを感じずにはいられなかったのよ。 野々村:ちなみに飛行機雲はなんで飛行機雲? 夕凪:映画の一部に飛行機雲があったから、これは使いたかったかな。 野々村:あと”風”ってワードも入るなあって思ってた。 夕凪:私はモチーフとして風がぴったりくるなあと思って。「きみたちはどう生きるか」の米津の歌は凪がテーマになってたんだけど。自分で気持ちをどうこうして、なんとかなるような簡単な話じゃないなあと思ったときに、なにか心をゆだねられるのって、その流れを作ってくれる風がちょうどいいんじゃないかって。 野々村:歌詞の「風に任せましょう」がまさにそうだね 夕凪:そうそう。だからサビも「風に乗ってる鳥」に「流れに身を任せてみましょう」っていうまとめ方にしたな。 野々村:なるほど 夕凪:なるほどになってくれたらよかった。色んな見解があるから、ぜんぶ自分の意見で限定するのもな、と思うところもあって。 野々村:この歌詞がテーマ性が強いなみたいなのあったりする? 夕凪:映画のストーリーあったわけじゃないけど、2番は具体的なシーンが思い浮かぶようにしたくて、こぼれた涙の話を入れてみたの。作品を通して、こう捉えていいんじゃないかという要素も入れて、「しずかにこぼれた ひとしづくくを そのままでいいよ」の箇所とか。 野々村:たしかに、具体的な風景が浮かぶよね 夕凪:キャッチ―なのは1番なんだけど、2番もきいてみたら作品とのつながりもあるの。 例えば「支え合い はなれはしないから」のところは、映画の中で人格さんが言い合うみたいなシーンと繋がってるんだよね。色々思うことはあるし言うけど、その子のことが大切だから離れはしない。見守ってるよっていうニュアンスを入れてる。2番も聞いてくださいって感じかな(笑) す 掛け合いっぽくしたのもそれか ゆ そそ!! す 「木漏れ日の方に針を進めましょう」も好き ゆ がんばった(笑) ほっとできるところを 野々村:この曲歌ってると、もう一人解離してる感じになるというか、第3者から俯瞰してるみたいな感じになるのよ。...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌③ ~作詞作曲家夕...
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さて今回は、主題歌「Re:」の作詞作曲をつとめてくださった夕凪さんにインタビューをしました!(といいつつ、野々村も結構喋っております) 数年前、私野々村と、一緒に演奏の仕事をしたり、隣の家や同じ寮に住んだりしていた夕凪さん。いつか一緒に作品作りをしたいなと話しながらも、叶わずそれぞれの環境を歩んでいました。そこから時間が経って、一緒に曲をつくることができました。 そして今回、アルバムも出させていただくということで改めて主題歌Re:について夕凪さんに曲について、あれこれ聞いてみました。快く引き受けてくれて、感謝。 言葉にしてみたいな、と思った 野々村: 映画の主題歌をつくってほしいってなったときに、はじめどう感じた?最終的に受けてくれたのってどういう理由があったの? 夕凪: なんだっけな、、(笑)自分で用意出来るものが、歌とピアノの2本しかないから、それで映画にぴったりくるような雰囲気でできるのかどうかみたいなところがまず、重要だったかな。話の大筋を聞いた時に、ピアノの音も活かされそうやなと思ったから、、 野々村: それは本当にそうよね 夕凪: うん。あと個人的にも、障害とか持ってるわけじゃないけど興味もあったし、だからその辺の話を言葉にしてみたいな気持ちにもなった。監督の思いとか聞いてたらやりたいなっておもった!(笑) だってめっちゃ優しかったから! 野々村: 本当に配慮のある人だし、優しいよね 夕凪: あの配慮が、すごい救いやった。 野々村: たしか1回オファーしてから、一度お断りされた上で、監督の長文メッセージと共に、再オファーしてるもんね。 夕凪: 二回きたのも刺さりましたね 野々村: 夕凪さんも忙しいだろうなってのもあったし、しばらく話してなかったから、私からごり押しができなくて。だから友塚監督に他の候補も何人かだしたんやけど監督「ん~」みたいな。夕凪さんもう一回いけません?みたいな。だから友塚監督的にも夕凪のこれまでの作品がイメージぴったりだったんだと思うよ。 直感を大切に 野々村: 実際映画見てどうやった? 夕凪:こんな風に使われるんやって、感動した。あと使われ方がぴったり。映画の主題歌って、映画完成後に作るんやと思ってたから、つくった後結果良かったんかな?とも思ってたから、綺麗に編集もしてくれて、結果的によかったな。 野々村:その感想はうれしいな~。 夕凪: あえての前奏なしでつくってるのよ。それもよかったなあと。 野々村: あえて前奏なしにしてる理由ってなに? 夕凪: 例えば洋楽のローズとか、最初に掴む感じの曲って前奏がないイメージがあって。この映画にフィットしそうっていう、直感的だったな。他には手嶌葵さんの曲とか、前奏からの曲で魅力的な曲が多いイメージ。 野々村: 今聞いてて、今回曲をつくるときに、映画の中で流れることをイメージして、つくってれてるのかなって思ったな。 夕凪: たしかに(笑)そういわれてみればそうやわ 野々村: 私はオファーするとき、映画の曲と、普通に曲を作ることの差みたいなものを、そこまで理解せずにお願いしていたわ。 夕凪: 色んな作り方あるから、一緒でいいよってこともあるだろうし、これが全然一般的な作り方じゃないかなあとも思うし す どういうところが一般的じゃないと思う? ゆ 作曲作詞を仕事に手掛ける人は、作り手が色々質問して、どういう方向に進めていきましょうとか、ある種機械的というかもっとテンポ感もよかったというか(笑)でもビジネス感がなかったのも、やりやすかったところでもあって。それこそすずか(野々村)に協力できたらいいなってのもあったし、映画自体も思いを重点的に作ってる感じがしたからあったかくてやりやすいなって思った。...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌③ ~作詞作曲家夕...
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さて今回は、主題歌「Re:」の作詞作曲をつとめてくださった夕凪さんにインタビューをしました!(といいつつ、野々村も結構喋っております) 数年前、私野々村と、一緒に演奏の仕事をしたり、隣の家や同じ寮に住んだりしていた夕凪さん。いつか一緒に作品作りをしたいなと話しながらも、叶わずそれぞれの環境を歩んでいました。そこから時間が経って、一緒に曲をつくることができました。 そして今回、アルバムも出させていただくということで改めて主題歌Re:について夕凪さんに曲について、あれこれ聞いてみました。快く引き受けてくれて、感謝。 言葉にしてみたいな、と思った 野々村: 映画の主題歌をつくってほしいってなったときに、はじめどう感じた?最終的に受けてくれたのってどういう理由があったの? 夕凪: なんだっけな、、(笑)自分で用意出来るものが、歌とピアノの2本しかないから、それで映画にぴったりくるような雰囲気でできるのかどうかみたいなところがまず、重要だったかな。話の大筋を聞いた時に、ピアノの音も活かされそうやなと思ったから、、 野々村: それは本当にそうよね 夕凪: うん。あと個人的にも、障害とか持ってるわけじゃないけど興味もあったし、だからその辺の話を言葉にしてみたいな気持ちにもなった。監督の思いとか聞いてたらやりたいなっておもった!(笑) だってめっちゃ優しかったから! 野々村: 本当に配慮のある人だし、優しいよね 夕凪: あの配慮が、すごい救いやった。 野々村: たしか1回オファーしてから、一度お断りされた上で、監督の長文メッセージと共に、再オファーしてるもんね。 夕凪: 二回きたのも刺さりましたね 野々村: 夕凪さんも忙しいだろうなってのもあったし、しばらく話してなかったから、私からごり押しができなくて。だから友塚監督に他の候補も何人かだしたんやけど監督「ん~」みたいな。夕凪さんもう一回いけません?みたいな。だから友塚監督的にも夕凪のこれまでの作品がイメージぴったりだったんだと思うよ。 直感を大切に 野々村: 実際映画見てどうやった? 夕凪:こんな風に使われるんやって、感動した。あと使われ方がぴったり。映画の主題歌って、映画完成後に作るんやと思ってたから、つくった後結果良かったんかな?とも思ってたから、綺麗に編集もしてくれて、結果的によかったな。 野々村:その感想はうれしいな~。 夕凪: あえての前奏なしでつくってるのよ。それもよかったなあと。 野々村: あえて前奏なしにしてる理由ってなに? 夕凪: 例えば洋楽のローズとか、最初に掴む感じの曲って前奏がないイメージがあって。この映画にフィットしそうっていう、直感的だったな。他には手嶌葵さんの曲とか、前奏からの曲で魅力的な曲が多いイメージ。 野々村: 今聞いてて、今回曲をつくるときに、映画の中で流れることをイメージして、つくってれてるのかなって思ったな。 夕凪: たしかに(笑)そういわれてみればそうやわ 野々村: 私はオファーするとき、映画の曲と、普通に曲を作ることの差みたいなものを、そこまで理解せずにお願いしていたわ。 夕凪: 色んな作り方あるから、一緒でいいよってこともあるだろうし、これが全然一般的な作り方じゃないかなあとも思うし す どういうところが一般的じゃないと思う? ゆ 作曲作詞を仕事に手掛ける人は、作り手が色々質問して、どういう方向に進めていきましょうとか、ある種機械的というかもっとテンポ感もよかったというか(笑)でもビジネス感がなかったのも、やりやすかったところでもあって。それこそすずか(野々村)に協力できたらいいなってのもあったし、映画自体も思いを重点的に作ってる感じがしたからあったかくてやりやすいなって思った。...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM4Villanelle①~こんな内容だったんです~
こんにちは野々村すずかです。3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちらより演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さて今回はついに四曲目のEva Dell'Acqua作曲のフランス歌曲「Villanelle」についてご紹介します。 この曲を聴かれて、皆さんはどのような曲に感じられたのでしょうか。フランス語が堪能な方以外はおそらく、音楽の印象などで、こんな内容の曲ではないだろうか、など予想もしていただくことができます。どう感じられたのか、ぜひコメントで教えてくださいね! Villanelleとは Villanelleはフランス語で「牧歌」「田園詩」という意味です。歌だけではなく、ほかに楽器が用いられた曲など、題に「Villanelle」とつくものはいくつもあります。 この曲はベルギー人の女性作曲家によって作られた楽曲です。かもめがふるさとに向かって飛んでいく姿に、「私も同じように飛んでいくことを夢みている...」と憧れを抱く曲です。 この曲にはいくつか印象的なワードがでてきます。太陽、ツバメ、ジャスミン、、、 日本的な風物詩というなれば、桜などがあがるのでしょうか。異国の雰囲気を感じさせる音楽と歌詞です。 空との関わり この曲は朝の澄み切った空を、ツバメが飛んでいくその姿に憧れをいただいています。歌詞の中に空をみている私からの、美しいという言葉や、空に対する評価はありません。 しかしながら、「朝の澄み切った空」という言葉だけで、晴れやかで切ない気持ちが彷彿されるように思います。 コロラトゥーラ さて、Villanelleで必要な声の要素は「コロラトゥーラ」というもの。細かい音が連続したり、装飾がついたり、言葉のようにコロコロと声を転がすように歌う手法です。この手法では色んな気持ちやモチーフを表現することができ、よく使われるのは恋に胸が高鳴る様子などが挙げられます。オペラ有名なものだとオペラ『魔笛』夜の女王役の母が娘にぶちギレるシーンで用いられたり、オペラ『ホフマン物語』で、ゼンマイ仕掛けの人形が華麗に歌い上げたり。(夜の女王は大学時代に長く取り組んだ役でもあるので、またやりたいんです!) さてVillanelleではこのコロラトゥーラは、どのような効果があるのでしょうか。文字に表すと「憧れ」となるものが、さまざまな形の音の連なりで表現されています。私にとっては晴れ渡る空のような爽やかさもあれば、少し切なさもはらんだ気持ちの揺らぎを感じたり。またコロラトゥーラの声は、よく鳥のようと言われることもあります。もしかすると、ツバメのさえずりのように聞こえる方もいるかもしれません。 ※和訳を見たい方がいらっしゃいましたら、出してくださっている方がいたので、以下にご紹介させていただきます。 次回はなぜクラシック曲をえらんだのか、クラシックへの思いなどをつづります。 ミニアルバムの購入はこちら
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM4Villanelle①~こんな内容だったんです~
こんにちは野々村すずかです。3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちらより演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さて今回はついに四曲目のEva Dell'Acqua作曲のフランス歌曲「Villanelle」についてご紹介します。 この曲を聴かれて、皆さんはどのような曲に感じられたのでしょうか。フランス語が堪能な方以外はおそらく、音楽の印象などで、こんな内容の曲ではないだろうか、など予想もしていただくことができます。どう感じられたのか、ぜひコメントで教えてくださいね! Villanelleとは Villanelleはフランス語で「牧歌」「田園詩」という意味です。歌だけではなく、ほかに楽器が用いられた曲など、題に「Villanelle」とつくものはいくつもあります。 この曲はベルギー人の女性作曲家によって作られた楽曲です。かもめがふるさとに向かって飛んでいく姿に、「私も同じように飛んでいくことを夢みている...」と憧れを抱く曲です。 この曲にはいくつか印象的なワードがでてきます。太陽、ツバメ、ジャスミン、、、 日本的な風物詩というなれば、桜などがあがるのでしょうか。異国の雰囲気を感じさせる音楽と歌詞です。 空との関わり この曲は朝の澄み切った空を、ツバメが飛んでいくその姿に憧れをいただいています。歌詞の中に空をみている私からの、美しいという言葉や、空に対する評価はありません。 しかしながら、「朝の澄み切った空」という言葉だけで、晴れやかで切ない気持ちが彷彿されるように思います。 コロラトゥーラ さて、Villanelleで必要な声の要素は「コロラトゥーラ」というもの。細かい音が連続したり、装飾がついたり、言葉のようにコロコロと声を転がすように歌う手法です。この手法では色んな気持ちやモチーフを表現することができ、よく使われるのは恋に胸が高鳴る様子などが挙げられます。オペラ有名なものだとオペラ『魔笛』夜の女王役の母が娘にぶちギレるシーンで用いられたり、オペラ『ホフマン物語』で、ゼンマイ仕掛けの人形が華麗に歌い上げたり。(夜の女王は大学時代に長く取り組んだ役でもあるので、またやりたいんです!) さてVillanelleではこのコロラトゥーラは、どのような効果があるのでしょうか。文字に表すと「憧れ」となるものが、さまざまな形の音の連なりで表現されています。私にとっては晴れ渡る空のような爽やかさもあれば、少し切なさもはらんだ気持ちの揺らぎを感じたり。またコロラトゥーラの声は、よく鳥のようと言われることもあります。もしかすると、ツバメのさえずりのように聞こえる方もいるかもしれません。 ※和訳を見たい方がいらっしゃいましたら、出してくださっている方がいたので、以下にご紹介させていただきます。 次回はなぜクラシック曲をえらんだのか、クラシックへの思いなどをつづります。 ミニアルバムの購入はこちら
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM3いつも何度でも① ~空の青さを知るについて~
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 今回は映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の初回です。アルバム名は「天藍」。意味はどこまでも澄み切った空の色。このアルバム名に至ったきっかけは、私が目にした空でした。そんなお話をさせていただきます。 まずは簡単に、作品の説明を。「千と千尋の神隠し」は2001年に公開されてから、スタジオジブリの興行収入第1位を維持しており、沢山の方に多く知られている作品です。「いつも何度でも」は、多くのアーティストがディスク化したり、カバーされています。外国人の方や、初音ミクさんもカバーされている、名曲。 歌詞も日本語で、多く私から解説することもないので、今回はまず、アルバム名とこの曲の関わりについてご紹介します。 天藍と「いつも何度でも」 「空の青さ」に着目したきっかけは、この曲をレコーディングする日に私の周りで起きたある出来事が関わっています。(長くなるので改めて話します)人生ではじめて、「喪失」に直面した経験です。 この曲をレコーディングする日、想像もしていなかったことが起きて、家の中で深い戸惑いに溺れていました。悲しいけれど、悲しいと思うことでよくないことが起こってしまいそう。 そんな気持ちの中、レコーディングに備えて練習をするために、家を出ました。私の家は、玄関を開けると天井がなくて、すぐ上が空と繋がっているんです。そこには、信じられないくらいに純粋な青い空が広がっていました。なにか意味をつけられないくらいに、真っ青な空。雲ひとつない、青い空。 あー。こんなに空って青いんだなあ。知らなかったなあ。 空がただ青いだけなのに、すごく胸が苦しくなりました。 人生で味わったことがないくらいに動揺していて、自分の無力さを突き付けられて、とんでもなく悲しくて、でも悲しいことがダメな気もしていて、それでもこんなに悲しいのに、この空の青さには悲しみも、喜びも、希望も、絶望も、無力感も、全てがあったんです。 そのとき、ある歌詞が頭をよぎりました。 繰り返すあやまちの そのたび ひとはただ青い空の 青さを知る 「いつも何度でも」 歌詞 空がどう見えるとかではなくて、ただただその時は空って青かったんだなあ、と思ったんです。 あのときみた空の色が、ずっと頭に焼き付いて離れないんです。けれど時が経つにつれて、少しずつ思い出せる時間が短くなっています。そうだとしても、あの時感じたあたたかさは、きっと忘れないと思います。 天藍は、そのときみた空の色を探して探して、やっと出会った言葉でした。 鏡のように この曲について、ひとつ思うことがあります。それは、そのときの自分の状況によって、感じるものが大きく変わってしまう、まるで鏡のような曲だということ。 レコーディングの日、練習をして、歌詞の聞こえ方が、まるでかわってしまいました。 そしてそこからの1週間でまたいろんなことが起こりましたが、そこでもまた、見え方が大きく変わりました。歌い方もきっと変わったんじゃないかなと思います。 これまでどんな人と出会ったのか、どんな別れがあったのか、どんな景色をみてきたのか。 みなさんがどう感じるのかも、きいてみたいなと思います。 さて、次回は今回ほんの少しだけ触れた私の喪失についてお話したいなと思います。 ミニアルバムの購入はこちら
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM3いつも何度でも① ~空の青さを知るについて~
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 今回は映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の初回です。アルバム名は「天藍」。意味はどこまでも澄み切った空の色。このアルバム名に至ったきっかけは、私が目にした空でした。そんなお話をさせていただきます。 まずは簡単に、作品の説明を。「千と千尋の神隠し」は2001年に公開されてから、スタジオジブリの興行収入第1位を維持しており、沢山の方に多く知られている作品です。「いつも何度でも」は、多くのアーティストがディスク化したり、カバーされています。外国人の方や、初音ミクさんもカバーされている、名曲。 歌詞も日本語で、多く私から解説することもないので、今回はまず、アルバム名とこの曲の関わりについてご紹介します。 天藍と「いつも何度でも」 「空の青さ」に着目したきっかけは、この曲をレコーディングする日に私の周りで起きたある出来事が関わっています。(長くなるので改めて話します)人生ではじめて、「喪失」に直面した経験です。 この曲をレコーディングする日、想像もしていなかったことが起きて、家の中で深い戸惑いに溺れていました。悲しいけれど、悲しいと思うことでよくないことが起こってしまいそう。 そんな気持ちの中、レコーディングに備えて練習をするために、家を出ました。私の家は、玄関を開けると天井がなくて、すぐ上が空と繋がっているんです。そこには、信じられないくらいに純粋な青い空が広がっていました。なにか意味をつけられないくらいに、真っ青な空。雲ひとつない、青い空。 あー。こんなに空って青いんだなあ。知らなかったなあ。 空がただ青いだけなのに、すごく胸が苦しくなりました。 人生で味わったことがないくらいに動揺していて、自分の無力さを突き付けられて、とんでもなく悲しくて、でも悲しいことがダメな気もしていて、それでもこんなに悲しいのに、この空の青さには悲しみも、喜びも、希望も、絶望も、無力感も、全てがあったんです。 そのとき、ある歌詞が頭をよぎりました。 繰り返すあやまちの そのたび ひとはただ青い空の 青さを知る 「いつも何度でも」 歌詞 空がどう見えるとかではなくて、ただただその時は空って青かったんだなあ、と思ったんです。 あのときみた空の色が、ずっと頭に焼き付いて離れないんです。けれど時が経つにつれて、少しずつ思い出せる時間が短くなっています。そうだとしても、あの時感じたあたたかさは、きっと忘れないと思います。 天藍は、そのときみた空の色を探して探して、やっと出会った言葉でした。 鏡のように この曲について、ひとつ思うことがあります。それは、そのときの自分の状況によって、感じるものが大きく変わってしまう、まるで鏡のような曲だということ。 レコーディングの日、練習をして、歌詞の聞こえ方が、まるでかわってしまいました。 そしてそこからの1週間でまたいろんなことが起こりましたが、そこでもまた、見え方が大きく変わりました。歌い方もきっと変わったんじゃないかなと思います。 これまでどんな人と出会ったのか、どんな別れがあったのか、どんな景色をみてきたのか。 みなさんがどう感じるのかも、きいてみたいなと思います。 さて、次回は今回ほんの少しだけ触れた私の喪失についてお話したいなと思います。 ミニアルバムの購入はこちら
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM2踊り明かそう ~ミュージカル「マイフェアレディ」について~
こんにちはシンガー・アクター・MCの野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。さて今回は、2曲目に収録しているミュージカル「マイ・フェア・レディ」挿入曲「踊り明かそう」についてご紹介します! まずは「マイ・フェア・レディ」のご紹介をば。この作品はオードリーヘップバーン主演のミュージカル映画として、目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。戯曲「ピグマリオン」を原作とするこの作品は、ミュージカルの権威あるトニー賞でも多くの賞を受賞し、日本でもミュージカルが上演されたり、様々な形で今のもとに届けられています。 作品の曲の中でも「踊り明かそう」は、最も有名な楽曲で沢山のアーティストによって円盤化されています。 「マイ・フェア・レディ」あらすじ このお話は、田舎娘のイライザの酷い言葉のなまりをきいた教授ヒギンズ教授が、「自分の手にかかれば下世話な花売り娘も、素敵なレディに仕立て上げられる」といったことがはじまりです。その後、ヒンギスはイライザを教育することになり、見事上流階級の話し方をマスターさせ、その喜びの思い溢れる場面で歌う曲が「I Could Have Danced All Night「踊り明かそう」です。 日本語歌詞について みなさんが一度はきいたことのあるといえる、この曲。英語と日本語、どちらのほうが皆さまは馴染みがあるでしょうか? 今回のレコーディングでは、日本語版で歌いましたが初めて人前でこの曲を演奏したときは、英語で歌いました。 今回は英語で歌うか、日本語で歌うのか、非常に迷ったところでもあります。 日本語だと皆さん聞きやすいし、馴染みが深い。一方英語のほうが、実は歌詞の内容が多く含まれているんです。 どういうことか。これは日本語と英語の、言語の構成についてのお話なんです。 踊り明かそうの歌詞でご説明してみます。日本語歌詞の冒頭は、 よあけまでも おどりたいの 単純に音の変化で数えると、7つの音でこの文章を歌っています。 一方、英語歌詞の冒頭で同じ曲の長さは I Could Have Danced All NightI Could...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM2踊り明かそう ~ミュージカル「マイフェアレディ」について~
こんにちはシンガー・アクター・MCの野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。さて今回は、2曲目に収録しているミュージカル「マイ・フェア・レディ」挿入曲「踊り明かそう」についてご紹介します! まずは「マイ・フェア・レディ」のご紹介をば。この作品はオードリーヘップバーン主演のミュージカル映画として、目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。戯曲「ピグマリオン」を原作とするこの作品は、ミュージカルの権威あるトニー賞でも多くの賞を受賞し、日本でもミュージカルが上演されたり、様々な形で今のもとに届けられています。 作品の曲の中でも「踊り明かそう」は、最も有名な楽曲で沢山のアーティストによって円盤化されています。 「マイ・フェア・レディ」あらすじ このお話は、田舎娘のイライザの酷い言葉のなまりをきいた教授ヒギンズ教授が、「自分の手にかかれば下世話な花売り娘も、素敵なレディに仕立て上げられる」といったことがはじまりです。その後、ヒンギスはイライザを教育することになり、見事上流階級の話し方をマスターさせ、その喜びの思い溢れる場面で歌う曲が「I Could Have Danced All Night「踊り明かそう」です。 日本語歌詞について みなさんが一度はきいたことのあるといえる、この曲。英語と日本語、どちらのほうが皆さまは馴染みがあるでしょうか? 今回のレコーディングでは、日本語版で歌いましたが初めて人前でこの曲を演奏したときは、英語で歌いました。 今回は英語で歌うか、日本語で歌うのか、非常に迷ったところでもあります。 日本語だと皆さん聞きやすいし、馴染みが深い。一方英語のほうが、実は歌詞の内容が多く含まれているんです。 どういうことか。これは日本語と英語の、言語の構成についてのお話なんです。 踊り明かそうの歌詞でご説明してみます。日本語歌詞の冒頭は、 よあけまでも おどりたいの 単純に音の変化で数えると、7つの音でこの文章を歌っています。 一方、英語歌詞の冒頭で同じ曲の長さは I Could Have Danced All NightI Could...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌② ~歌詞について~
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 今回は主題歌を作曲してくれた夕凪さんについてや、この曲と私についてご紹介したいと思います。 作詞について ・歌詞の方向性 作詞は夕凪さん、監修に「Teamその子」の友塚監督が入り、わたしもたまーにコメントしながら進めてまいりました。 監督さんの言葉の中で、わたしが「あー!こっちね!」となったものがあります。 「映画を見て大きく心を揺さぶられるのは、解離性同一性障害の当事者やその周囲の人だろうな、と考えています。そのため歌詞は、痛みやつらさの描写というよりは、神経系が安らぐ内容を入れるのが良いかも」 この障害がある方は、神経系の急な興奮や凍りつきを経験されているとのこと。それを穏やかに調整する神経を育てていく事が、大切になるそうです。 わたし自身、この曲を頭を通さずに聴いていると、なんとなく温泉に浸かったようなというか、ふわーっとした感覚を得られます。 ・視点についてこの曲はなんというか、聴いていても実はあまりわたしが歌っている感じがしないというか。普段あまり出さない声だからということもあるのでしょうが、近しい方からも、「すずかじゃないみたい」と言われる事があります。 何故だろう?と考えてみると、ひとつ理由を思い浮かびました。 この歌詞が「あなた」に向けたものだから。あなたに向かって語りかけているのですが、それと同時にあなたに語りかけられているとも感じるのです。 あなたはあなたであり、わたしである歌っているとまるで自と他が溶けていくように思います。あなたに語りかけているつもりが、実は自分だった。というような感覚。そのことが胸に沁みるように感じられる時と、「あれ!?自分だった!?」と、どこかびっくり!というように気づくように思う時もあります。 掛け合いの部分もわたし自身で歌っているので、それもよりそのように思う理由かもしれません。 ・空についてさて、今回のアルバム名は「天藍(てんらん)」天藍とは、「どこまでも澄み切った空の色」という意味の言葉です。全ての曲に空にまつわる歌詞が入っていることと、録音期の私に起こったある出来事から選びました。 この歌には、CD面にもある「ひこうきぐも」という単語が沢山でてきます。※飛行機雲について、素敵な紹介があったので↓ 空のコラム「飛行機雲」暦の上では、もうすぐ秋が終わり、いよいよ冬が始まります。 ひんやりとした空気が漂い、青空には飛行機雲がまっすぐに伸びていま543life.com 飛行機雲とは、その名の通り飛行機の航跡にできる線状の雲のこと。雲は基本的に10種類に分類されますが、飛行機雲はどれにも属さないちょっと特殊な雲です。 暦生活 ひこうきぐもは雲の中でも唯一、人の力によってつくられます。 寄り添い合い 耳を傾けそばにいるから繋がってる 明日へのひこうきぐも Re: 歌詞より みんなでつくった軌跡が、まるでひこうきぐものように、明日へ繋がる。空に真っ直ぐに走る"ひこうきぐも"は、凛とした気持ちにも、あたたかな気持ちにもなれる、見る人によっていろんな気持ちをつくってくれる隙間を感じます。 皆さんが"ひこうきぐも"をご覧になって、どんな気持ちになるのか、知りたいです。 次回は作曲者夕凪と、私について。完全に個人的なエピソード回になります😊...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌② ~歌詞について~
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 今回は主題歌を作曲してくれた夕凪さんについてや、この曲と私についてご紹介したいと思います。 作詞について ・歌詞の方向性 作詞は夕凪さん、監修に「Teamその子」の友塚監督が入り、わたしもたまーにコメントしながら進めてまいりました。 監督さんの言葉の中で、わたしが「あー!こっちね!」となったものがあります。 「映画を見て大きく心を揺さぶられるのは、解離性同一性障害の当事者やその周囲の人だろうな、と考えています。そのため歌詞は、痛みやつらさの描写というよりは、神経系が安らぐ内容を入れるのが良いかも」 この障害がある方は、神経系の急な興奮や凍りつきを経験されているとのこと。それを穏やかに調整する神経を育てていく事が、大切になるそうです。 わたし自身、この曲を頭を通さずに聴いていると、なんとなく温泉に浸かったようなというか、ふわーっとした感覚を得られます。 ・視点についてこの曲はなんというか、聴いていても実はあまりわたしが歌っている感じがしないというか。普段あまり出さない声だからということもあるのでしょうが、近しい方からも、「すずかじゃないみたい」と言われる事があります。 何故だろう?と考えてみると、ひとつ理由を思い浮かびました。 この歌詞が「あなた」に向けたものだから。あなたに向かって語りかけているのですが、それと同時にあなたに語りかけられているとも感じるのです。 あなたはあなたであり、わたしである歌っているとまるで自と他が溶けていくように思います。あなたに語りかけているつもりが、実は自分だった。というような感覚。そのことが胸に沁みるように感じられる時と、「あれ!?自分だった!?」と、どこかびっくり!というように気づくように思う時もあります。 掛け合いの部分もわたし自身で歌っているので、それもよりそのように思う理由かもしれません。 ・空についてさて、今回のアルバム名は「天藍(てんらん)」天藍とは、「どこまでも澄み切った空の色」という意味の言葉です。全ての曲に空にまつわる歌詞が入っていることと、録音期の私に起こったある出来事から選びました。 この歌には、CD面にもある「ひこうきぐも」という単語が沢山でてきます。※飛行機雲について、素敵な紹介があったので↓ 空のコラム「飛行機雲」暦の上では、もうすぐ秋が終わり、いよいよ冬が始まります。 ひんやりとした空気が漂い、青空には飛行機雲がまっすぐに伸びていま543life.com 飛行機雲とは、その名の通り飛行機の航跡にできる線状の雲のこと。雲は基本的に10種類に分類されますが、飛行機雲はどれにも属さないちょっと特殊な雲です。 暦生活 ひこうきぐもは雲の中でも唯一、人の力によってつくられます。 寄り添い合い 耳を傾けそばにいるから繋がってる 明日へのひこうきぐも Re: 歌詞より みんなでつくった軌跡が、まるでひこうきぐものように、明日へ繋がる。空に真っ直ぐに走る"ひこうきぐも"は、凛とした気持ちにも、あたたかな気持ちにもなれる、見る人によっていろんな気持ちをつくってくれる隙間を感じます。 皆さんが"ひこうきぐも"をご覧になって、どんな気持ちになるのか、知りたいです。 次回は作曲者夕凪と、私について。完全に個人的なエピソード回になります😊...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌① ~映画について~
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さてまずはじめは、今回の企画のはじまりである映画「Teamその子」の主題歌『Re:』についてご紹介します。第一回は、映画「Teamその子」について。その子を演じることになったとき、上映会についてなど 映画のテーマついて この映画の紹介をするために、まずお話をしなければならないのは「解離性同一性障害」について。 正確にお伝えしようと思うと長くなるので、詳しくは公式HPをご覧ください。 ほんとにほんとに簡潔にまとめると以下の通り。 解離性同一性障害(DID)、解離性障害とは(主に)幼少期に虐待が続くと、その間解離をし続けて自分を守る中で、様々な危機に対処しようと複数の人格が生まれることがあります。これを解離性同一性障害と呼んでいます。 映画「Teamその子」公式HPより 役のお話をいただいた頃に監督から伺った話で、印象的なものがあります。これまで「解離性同一性障害」は表の顔はおとなしいが、裏の顔は猟奇的というような描かれ方をされることも多かったとのこと。でもそうではなくて、普通に日常生活を送ろうとしているだけなのに、障害があることで社会で生きるのに不具合が出たり、自分自身も何が起きているのか認知できないことがある。 この話をきいて、この役を演じるということは本当に責任があるし、誰かを傷つけることがないようにできる限りのことは全てやろう、と思ったことをよく覚えています。 演じてみて 撮影中は気心が知れた俳優たちやスタッフの方とご一緒できて、すごい楽しかったです。それと同時に、なんだかずっと怖さがありました。 これで合ってるんだろうか。顔も知らない誰かに対して、失礼なことはしていないだろうか。できる準備はしたつもりでも、どこかずっと手探りでした。 はじめて自分が感じているものが本物だと思えたシーンは、しっかり覚えています。ちぃ役の役者さんとのシーンです。 ものがたりの中で対峙したときに、「あー、大丈夫だ。ここだったんだ。」という言葉で表し尽くせない安堵感と出会いました。 この世界のどこかにいる、同じ障害を抱えた人と同じ経験はできないけれど、その子の経験はわたしのものだ。 それ以降も手探りであることには変わりはありませんでしたが、あの感覚は映画の中でも主題歌の中にあるメッセージと繋がっていると確信しています。 表現するということ 幼い頃から縁があったのは、クラシカルなものでした。古くに作られた曲や戯曲に携わることが多く、そして新しくつくることに取り組んだことは、殆どなかったように思います。 私が好きな言葉(誰が言ったのか覚えてないんですけど)がありまして。 世界を優しくするのは許すこと世界を美しくするのは信じること 許容するということは、優しさがある。信じるということは、同時に何かを信じないということにもなる。でも、こうすべきだとか、こうありたいとか、美学を持つことは、それに沿わないことだって、でてくる。 ただ、その美学はきっと世界を美しくするものだと思うのです。 話は戻りますが、今回「Team その子」に出演する中で気にしていたことは、当事者の方や周りの方がどう思うのだろう、ということです。そして障害を知らない人に、どう伝わるのだろうということです。 監督は本当に配慮がある方で、監修も入れられて、慎重に大切につくってこられています。そのことを知っているからこそ、その船にのって表現の一部になることは、責任はもちろん、私も主張するということ、リスクが伴うということを感じました。 リスクというのは、誰かから攻撃されるとかそういうことだけではなく、誰かを傷つけるリスク、うまく伝わらないリスクということです。これまで自分自身のパフォーマンスには責任を持っていたつもりでしたが、実はこれまで自分の表現内容に責任があることを、意識していなかったと気がつきました。...
ミニアルバム「天藍」楽曲紹介シリーズM1Re: 映画「Teamその子」主題歌① ~映画について~
こんにちは野々村すずかです。 3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバムをリリースさせていただいたのですが、思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します! ミニアルバムの購入はこちら より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うのでご覧いただけますと幸いです。 さてまずはじめは、今回の企画のはじまりである映画「Teamその子」の主題歌『Re:』についてご紹介します。第一回は、映画「Teamその子」について。その子を演じることになったとき、上映会についてなど 映画のテーマついて この映画の紹介をするために、まずお話をしなければならないのは「解離性同一性障害」について。 正確にお伝えしようと思うと長くなるので、詳しくは公式HPをご覧ください。 ほんとにほんとに簡潔にまとめると以下の通り。 解離性同一性障害(DID)、解離性障害とは(主に)幼少期に虐待が続くと、その間解離をし続けて自分を守る中で、様々な危機に対処しようと複数の人格が生まれることがあります。これを解離性同一性障害と呼んでいます。 映画「Teamその子」公式HPより 役のお話をいただいた頃に監督から伺った話で、印象的なものがあります。これまで「解離性同一性障害」は表の顔はおとなしいが、裏の顔は猟奇的というような描かれ方をされることも多かったとのこと。でもそうではなくて、普通に日常生活を送ろうとしているだけなのに、障害があることで社会で生きるのに不具合が出たり、自分自身も何が起きているのか認知できないことがある。 この話をきいて、この役を演じるということは本当に責任があるし、誰かを傷つけることがないようにできる限りのことは全てやろう、と思ったことをよく覚えています。 演じてみて 撮影中は気心が知れた俳優たちやスタッフの方とご一緒できて、すごい楽しかったです。それと同時に、なんだかずっと怖さがありました。 これで合ってるんだろうか。顔も知らない誰かに対して、失礼なことはしていないだろうか。できる準備はしたつもりでも、どこかずっと手探りでした。 はじめて自分が感じているものが本物だと思えたシーンは、しっかり覚えています。ちぃ役の役者さんとのシーンです。 ものがたりの中で対峙したときに、「あー、大丈夫だ。ここだったんだ。」という言葉で表し尽くせない安堵感と出会いました。 この世界のどこかにいる、同じ障害を抱えた人と同じ経験はできないけれど、その子の経験はわたしのものだ。 それ以降も手探りであることには変わりはありませんでしたが、あの感覚は映画の中でも主題歌の中にあるメッセージと繋がっていると確信しています。 表現するということ 幼い頃から縁があったのは、クラシカルなものでした。古くに作られた曲や戯曲に携わることが多く、そして新しくつくることに取り組んだことは、殆どなかったように思います。 私が好きな言葉(誰が言ったのか覚えてないんですけど)がありまして。 世界を優しくするのは許すこと世界を美しくするのは信じること 許容するということは、優しさがある。信じるということは、同時に何かを信じないということにもなる。でも、こうすべきだとか、こうありたいとか、美学を持つことは、それに沿わないことだって、でてくる。 ただ、その美学はきっと世界を美しくするものだと思うのです。 話は戻りますが、今回「Team その子」に出演する中で気にしていたことは、当事者の方や周りの方がどう思うのだろう、ということです。そして障害を知らない人に、どう伝わるのだろうということです。 監督は本当に配慮がある方で、監修も入れられて、慎重に大切につくってこられています。そのことを知っているからこそ、その船にのって表現の一部になることは、責任はもちろん、私も主張するということ、リスクが伴うということを感じました。 リスクというのは、誰かから攻撃されるとかそういうことだけではなく、誰かを傷つけるリスク、うまく伝わらないリスクということです。これまで自分自身のパフォーマンスには責任を持っていたつもりでしたが、実はこれまで自分の表現内容に責任があることを、意識していなかったと気がつきました。...
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