こんにちは
野々村すずかです。
3月29日に映画「Teamその子」の主題歌とカバー曲を収録したミニアルバム「天藍ーてんらんー」をリリースさせていただいたのですが、
思い入れのある楽曲づくしで、ジャケットでは思いを語りつくせず、、、
こちらのブログでは、CDのプログラムノートに載せつくせなかった楽曲についてのお話や、レコーディング時のお話などをご紹介します!
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より演奏をたのしんでいただけるのでは、と思うので
ご覧いただけますと幸いです。
さて今回は、主題歌「Re:」の作詞作曲をつとめてくださった夕凪さんのインタビュー後編!
(といいつつ、野々村も結構喋っております)
数年前、私野々村と、一緒に演奏の仕事をしたり、隣の家や同じ寮に住んだりしていた夕凪さん。
いつか一緒に作品作りをしたいなと話しながらも、叶わずそれぞれの環境を歩んでいました。
そこから時間が経って、一緒に曲をつくることができました。
そして今回、アルバムも出させていただくということで
改めて主題歌Re:について夕凪さんに曲について、あれこれ聞いてみました。
快く引き受けてくれて、感謝。
なにか心をゆだねられるのって
野々村:次は曲の内容を細かく聞いていきたいな。一度記事も書いてみたんだけど、夕凪さんがどう考えているのかも聞きたくて。
夕凪:飛行機雲のこと描いてるやん ノートに(笑)
野々村:うん(笑)アルバムの収録曲を選んだ後に気が付いたから本当にたまたまなんやけど、全ての曲に空にまつわる曲を選んでて。
映画自体もラストシーンでは渋谷の空が映るし、モチーフとして重なるところが多いなと。
ちょっと私事だけど、アルバム収録中に大きな出来事もあって、色んな巡りあわせを感じずにはいられなかったのよ。
野々村:ちなみに飛行機雲はなんで飛行機雲?
夕凪:映画の一部に飛行機雲があったから、これは使いたかったかな。
野々村:あと”風”ってワードも入るなあって思ってた。
夕凪:私はモチーフとして風がぴったりくるなあと思って。
「きみたちはどう生きるか」の米津の歌は凪がテーマになってたんだけど。自分で気持ちをどうこうして、なんとかなるような簡単な話じゃないなあと思ったときに、なにか心をゆだねられるのって、その流れを作ってくれる風がちょうどいいんじゃないかって。
野々村:歌詞の「風に任せましょう」がまさにそうだね
夕凪:そうそう。だからサビも「風に乗ってる鳥」に「流れに身を任せてみましょう」っていうまとめ方にしたな。
野々村:なるほど
夕凪:なるほどになってくれたらよかった。
色んな見解があるから、ぜんぶ自分の意見で限定するのもな、と思うところもあって。
野々村:この歌詞がテーマ性が強いなみたいなのあったりする?
夕凪:映画のストーリーあったわけじゃないけど、2番は具体的なシーンが思い浮かぶようにしたくて、こぼれた涙の話を入れてみたの。作品を通して、こう捉えていいんじゃないかという要素も入れて、「しずかにこぼれた ひとしづくくを そのままでいいよ」の箇所とか。
野々村:たしかに、具体的な風景が浮かぶよね
夕凪:キャッチ―なのは1番なんだけど、2番もきいてみたら作品とのつながりもあるの。
例えば「支え合い はなれはしないから」のところは、映画の中で人格さんが言い合うみたいなシーンと繋がってるんだよね。色々思うことはあるし言うけど、その子のことが大切だから離れはしない。見守ってるよっていうニュアンスを入れてる。2番も聞いてくださいって感じかな(笑)
す 掛け合いっぽくしたのもそれか
ゆ そそ!!
す 「木漏れ日の方に針を進めましょう」も好き
ゆ がんばった(笑)
ほっとできるところを
野々村:この曲歌ってると、もう一人解離してる感じになるというか、第3者から俯瞰してるみたいな感じになるのよ。
夕凪:あえてそんな感じにしたかったの。
これも友塚監督のアドバイスが元になってるんだけど。
まず本人サイドの思いを乗せて書いてみたんだけど、監督からのフィードバックをみて、きっとキャラクターサイドよりもちょっと退いたとこらへんからみた世界のほうが、ほっとできるんやなって。
ほっとできるところを求めてたんかなあ思って。
野々村:ホッとする感覚が、没頭しすぎてないところから生まれるのか
夕凪:あえて直線的にならないほうがいいんかなあって。そこがむずかしかった。
夕凪:むずかしかったなー。なんていったらいいんやろなあ。
なんかぼんやりしてるときが、ちょうど±0の自分なんかなって思ってて。そういうときって、感情的でもないし、ロジックにも偏らなくて。
ぼーっと遠くを見つめてる感じの心境や状態をかけたらいいのかなあって。なんかぽわんとしてる感じ。
野々村:すごいね、曲つくる人って
夕凪:いや、後付けな感じもある
野々村:そうなんや
夕凪:つくってるときは、監督の言葉、野々村の言葉と作品の雰囲気を繋ぎ合わせる意識だったんじゃないかな。
台本から得たこと
夕凪:あと、すごい練り練りして書いたから、昔の私の曲を知ってる人に聴いてもらったら、「めっちゃ練ったなあ(笑)今までにない書き方や」っていわれた。
野々村:面白いね(笑)練り練りしてるときって、どういう状態なん?
夕凪:ゾーンにはいってる。色々台本読んで、どういう気持ちかなってとこ考えて、負のイメージなのか、プラスのイメージなのか、そこからどんな言葉が出てくるのか、ひたすら連想ゲームしてたな。
この言葉やったら使えそう、みたいなところから文章にしてみたり。
パッチワークみたいな作業が多かったね。
野々村:監督の次くらいに本よんどるんちゃう?(笑)
夕凪:それはさすがに(笑)台本を読んで、どういう思いがあったからそういう言葉になったんやろうっていうのが、面白かった。
野々村:へー!なにがおもろかったんやろ?
夕凪:普段ドラマとか映画みて面白かったで終わるから、こうやって深堀して演技につなげてんのかなとか思うと深い!!思ったな。役者は国語以上のことをしてるとおもうねん。文章の奥って言うか、行動心理とか、常日頃、人を観察してないと見えないところまでみてるんやろなとか
野々村:演技では”サブテキスト”っていう考え方があって。
台本上に書かれている言葉は表の言葉で、台本上に書かれてない裏の言葉を、どれだけ明確にできるか、効果的で一貫性があるものを考えられるかは事前の準備で大切な要素の一つと言われてるね。
夕凪:そこに一貫性をつくるのがむずかしそう。
野々村:一貫性を持たせた上で、面白くなるかっていうのも大事かも。
理として通ってても、おもしろいかはまた別の話やったりするし。
そういう考え方がおもしろい人が、人から求められたりするなとも思うな。
夕凪:確かに作品観てて、意表を突く人とか、たしかにお~ってなる(笑)
その違いがいいんじゃないかな
野々村:主題歌としては私が歌わせてもらってたんだけど、自分以外の人が歌うことについてはどうだった?
夕凪:そもそも色々違うから、声も違うし、特性も違うし、その違いがいいんじゃないかなって思ってる。演じた人が歌うのが、スっと入りそうやなって思った。あと人の為につくるっておもしろい!とも思ったな。
野々村:今日話してより思ったけれど、この曲をその子が歌うことが作品として意味があったんじゃないかなあ。
夕凪:そうね。
野々村:夕凪さんが歌っているものは、また違う要素が沢山あったので是非皆さんも聞いてみてほしいです。
夕凪:ぜひ(笑)
長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
夕凪さんがどんな思いで作ったのかご覧になられて、改めて曲も聴いていただけると幸いです。
そして文中でも触れていますが、夕凪さんの歌唱がまた魅力的です!
みなさん是非聴いてくださいね!
【夕凪プロフィール】
姉の影響からピアノやエレクトーンに親しみ、コンクールに向けて練習に励む日々だったが中学一年の頃に作曲に興味を持つようになり後にオリジナル曲を制作するようになる。大学時代後半から社会人2年目までアーティストとして様々な活動を経験した後、現在は仕事を主軸に過ごす傍らSNSを活用して音楽を発信している。
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